【IRIS】2025.2とPythonの環境構築 その①

本シリーズは、IRIS 2025.2 Communityエディションの構築とPythonとの連携を目指します

※このシリーズの最終目的
  • IRIS 2025.2 Communityエディションのインストール
  • VS Codeとの連携方法
  • VS Codeの操作
  • Pythonとの連携方法方
  • Embedded Pythonについて

はじめに

本シリーズの最終目的は、Embedded Pythonを使用する所までの環境構築作業になります。

本記事では、IRIS 2025.2 Communityエディションのインストールを行います。

IISのインストール

長らく愛されてきた「Apache Webサーバ(57772ポート)」が廃止されています。
そのため、「IRISのインストール前に必ず」別途Webサーバをインストールする必要があります。

Windows OSではIISをインストールしましょう。

Apache廃止の詳細については、下記開発コニュニティの記事を参照してください。

ApacheサーバからIISに変わったので、ウェブサーバポートが80になりました。

【お断り】
IISのインストール方法に関しては、Windows11やWindows Server等で異なるため、本記事では割愛致します。

IRIS 2025.2 Communityエディション

インストールexeの入手

IRIS 2025.2 Communityエディションは下記からダウンロード可能です。

今回は、WindowsOS上にIRIS 2025.2の環境構築を目的とするため、下記入力を行います。

ダウンロードフォルダに「IRIS_Community-2025.2.N.NNN.N-win_x64.exe」がダウンロードされていればOKです。

今回は「IRIS for Windows (x86-64) 2025.2 (Build 227U) Thu Jul 10 2025 11:01:07 EDT」を使用します。

インストール実施

インストールexeを実行します。

「はい」を選択します。

・ライセンス契約
「私はライセンス契約の条件に同意します」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリックします。

・インスタンス名の設定
任意の命名が可能です。今回はデフォルトの「IRIS」にします。
命名が終わったら「次へ」ボタンをクリックします。

・インストール先フォルダ
今回は「D:\IRIS」に変更しました。
インストール先が決まったら「次へ」ボタンをクリックします。

・セットアップタイプの選択
任意選択です。
決まったら「次へ」ボタンをクリックします。

・ユニコードのサポート
「次へ」ボタンをクリックします。

・セキュリティ設定
各種ログイン処理が面倒なので、「Minimal(最小)」を選択しています。
決まったら「次へ」ボタンをクリックします。

・インストール前の条件を確認します。
設定内容に問題が無ければ、「インストール」ボタンをクリックします。

・インストール完了
「終了」ボタンをクリックします。

ここまでで、インストールが完了になります。

お疲れ様でした!

インストール後の確認

無事インストールが成功したら、簡単な確認を行っていきましょう。

タスクトレイにあるIRISのアイコンを左クリックし、コンテキストメニューを開きます。

今までターミナルの上に表示されていた「スタジオ」が消えています(2024.2より廃止)。
正式リリース版としては2025.1からの廃止となります。

知っていたとはいえ、少し寂しい感じがしますね。

今までお疲れ様です。

では、順に確認していきます。

InterSystems IRIS 開始

停止しているIRISを開始する際に使用します。

IRISは、Windowsの起動時にあわせて自動起動します。
その際、設定しているメモリ領域をゴソッと奪っていくので、IRISを使わない場合は停止していて欲しい存在だったりします。

そのため任意の設定になりますが、Windows起動時にIRISを起動させない方法があります。

管理ポータルを起動し、[システム管理] > [構成] > [システム構成] > [メモリと開始設定]をクリックし、「メモリと開始設定」画面を開きます。

画面が開いたら、「システム開始時に自動開始」のチェックボックスをOFFにして「保存」ボタンをクリックします。

これで次回Windows起動時、IRISは停止した状態のままです。

IRISを使いたい時は、InterSystems IRIS 開始を手動でクリックしてください。

InterSystems IRIS 停止

IRISの停止/再起動を行う際に使用します。

IRISの前身であるCache時代は、Windowsのシャットダウン時に起動していると、極稀にCacheが破損する事がありました。

Windowsシャットダウン時には、IRISを停止しておいた方が無難だと思います。

ターミナル

ターミナルを使用すれば、簡単にObjectScriptが実行できます。

ターミナルのカスタマイズ等々に関しては、いくつか記事を書いているので、そちらを参照してください。

管理ポータル

IRISの様々な設定をこの画面から行えます。

URL:
http://localhost/[インスタンス名]/csp/sys/UtilHome.csp

ウェブサーバが「Apacheサーバ」から「IIS」に変わった事で、細かな設定無しで別環境から管理ポータルが確認できるようになりました。

かなり使いやすく感じますね。

ドキュメント・クラスリファレンス

操作に困った時、クラスの詳細な情報が必要な時に参照します。

オンライン上のドキュメントが開きます。

他バージョンのドキュメントを参照したい時は下記から参照してください。

リモートシステム アクセス

他のインスタンスにアクセスする際に使用します。
アクセスする先は、自端末以外でも問題ありません。

優先接続サーバ

ターミナルや管理ポータルを起動する際、どのインスタンスから起動させるかを設定できます。

また、リモートシステム アクセスの接続先を定義したりします。

バージョン情報

インストールしたインスタンスのバージョンを確認します。

バージョンの確認方法は、ターミナルから「w $zv」でも確認できます。

IIS

IISの状況を確認してみます。

Apacheサーバの時は、「Default Web Site」の配下に「csp」「インスタンス名」しかありませんでした。

何やら、見慣れるアプリケーションが増えていますね。

おわりに

本記事では、InterSystems IRIS 2025.2 Communityエディションのインストール手順を中心に、導入時に注意すべきポイントや、インストール後の確認を行いました。

これまで慣れ親しんだApache Webサーバ(57772ポート)が廃止され、IIS(ポート80)へと移行しています。
また、愛すべきスタジオも廃止されています。

ここら辺は時代の流れを感じつつ、早く順応していくしかないですね。

【次回】
スタジオが廃止された事により、VS Code等々の外部エディタを使用していく事になります。

接続設定や操作方法等を解説していきます。